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                    展 示   
                  
                  
                   
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                   
                  
                  
                   
                   
                  
                  
                    
                      
                        | 1.はじめに | 
                       
                      
                         地図を見ると、それぞれの時代の人間がどのように世界を捉えていたかという世界観がわかります。 
                         そこで、世界の人から見た、おもにヨーロッパの人たちから見た日本の姿を、所蔵資料の中からご紹介します。 
                         
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                        2.現存する最古の地図と世界図
                        
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                             現存する最古の地図は、カフカス(コーカサス)のマイコプ古墳(紀元前3000年ごろ)から出土した銀製の壷に描かれた線刻の図ですが、それは概念的な図形にすぎず、地図と呼ぶのにふさわしいもので最も古いものは、北イタリアの岩に残る村落を描いた地図(紀元前1500年ごろ)といえます。 
                               日本では、6世紀頃と推定されている鳥取県倉吉市の上神48号古墳の壁画に最古の地図見ることができます。 
                               このように自分たちの住んでいる地域を簡単にまとめた地図は作られましたが、しだいに自分たちの国または都市を中心とした「世界」というものがあると考えられるようになり、見たことのない世界を空想した「世界図」がつくられるようになりました。その最古のものがメソポタミア遺跡から発掘された「バビロニアの世界地図」(紀元前500年頃)です。 
                               バビロニアの他にも、エジプト・ギリシア・インドで早い時期に具体的な世界像がすでに確立していました。 
                               
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                        展示図書 
                         
                         
                         | 
                       
                    
                   
                  
                    
                      
                         | 
                        バビロニア文明 : 古代メソポタミア文明の栄光 / ペトラ・アイゼレ著 ; 岡淳訳. -- 佑学社, 1982. 
                            資料ID:3001649 請求記号:228.1||1 配置場所:3階N19 
                         
                          [バビロニアの世界地図] 
                        
                          
                            
                               | 
                              世界は円盤状で、そのまわりを「にがい河」と記された塩分を含んだ河、つまり海が囲んでいると考えた。山地と記された半円形のところからユーフラテス河が流れ出て、中央の都市バビロンを通り、湿地と記された部分に流れ込んでいる。海の外側の突出した三角形は、大地の上をドームのように覆う天空を支える陸地である。 | 
                             
                          
                         
                         
                         
                         
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                        | 3.世界地図 | 
                                             
                        
                        
                          
                            
                        | 
                        
                         | 
                       
                            
                         | 
                       
                            
                         古代ギリシャでは、ピタゴラス(紀元前6世紀)やアリストテレス(前384-前322)がすでに地球が球形であることを唱えており、球面を平面に移し変えるために球面の座標を決定する必要があることもわかっていました。地図に最初に経緯線を用いたのは、エラトステネス(前273頃~前192頃)ですが、西洋古代の地図学の水準を一挙に高めたのは、紀元前2世紀のアレクサンドリアの天文学者、プトレマイオスでした。彼は経緯線を円弧で描き、約8000地点に及ぶ世界各地の経緯度値を使って地図の精密度を上げました。 
                         しかし、キリスト教の支配に伴い、神学が科学をも支配してしまったので、5世紀以降約1000年の間、地図は宗教色が濃いものになってしまいました。 
                         ルネサンス期以降16世紀半ばまでは、プトレマイオス地図学が依然継承されましたが、コロンブスやヴァスコ・ダ・ガマらによってもたらされた新しい地理情報が盛り込まれ、少しずつ「現代地図」が加えられていきました。 
                         そしてついに、16世紀中期になり、フランドル地方のメルカトルによって、現在でも使われている正角円筒図法(メルカトル図法)が考案され、その友人のオルテリウスが、多くの資料と最新の情報を盛り込み、『地球の舞台』と題する地図帳を刊行しました。これは最初の近代的地図帳で、美しい印刷と洗練された文字体によりヨーロッパ各国で翻訳され、また新しい地理情報が加わるたびに増補版が出され、全部で108図の新図が加えられました。その中には「日本」も入っています。 | 
                       
                          
                         
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                  展示図書 
                   
                   
                   | 
                 
                
                   | 
                  プトレマイオス世界図 : 大航海時代への序章. -- 岩波書店, 1978. 
                            資料ID:20433109  請求記号:290.38||41  配置場所:1階T1 
                   
                    [プトレマイオスの世界地図]  
                  
                    
                      
                         | 
                        紀元2世紀、アレクサンドリアの天文学者プトレマイオスは8000地点に及ぶ世界各地の経緯度数値を使って地図を表わし、これが世界で最初の地図帳(アトラス)となった。その後17世紀までに作られた地図は、すべてプトレマイオスの影響を受けている。 
右端に見えるSinaeの地名は、前3世紀に中国を初めて統一した秦(Chin)の国号が伝えられた。日本の姿はまだない。 | 
                       
                    
                   
                   
                   
                   
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                  Theatrvm orbis terrarvm 1570 / Abraham Ortelius -- Rinsen Book, 1991. 
 (オルテリウス「世界地図帳」原題『世界の舞台』 1570年刊本) 
                            資料ID:30101142  請求記号:290.38||48  配置場所:1階T1 
                   
                  
                    
                      
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                        ベルギーのアントワープ生まれのオルテリウスは、1570年、世界初の近代的地図帳『Theatrvm orbis terrarvm』(53枚組で地図70図)を発行した。この地図は1612年までの間に新情報を加えながら、ラテン語ばかりでなく、蘭・独・仏・英・伊語でも刊行され、「地図帳」の到来を導いた。 
1585年天正少年使節も、これらのうちの1冊を持ち帰ったという記録が残っている。 
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                  Theatrum orbis terrarum / Abraham Ortelius. -- Giunti, 1991. 
 (オルテリウス「世界地図帳」 1595年刊本) 
                            資料ID:30160514  請求記号:290.38||49 配置場所:1階T1 
                   
                  
                    
                      
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                        この刊から、初めて単独の日本図が加わった。この地図がヨーロッパにおける最初の日本地図であるとされている。 
日本はJAPONIA (JAPONIA INSVLA 日本島) 
                        京(みやこ) : MEACO、  
                        堺(さかい) : Sacay、  
                        河内(かわち): Cavachi など日本の国名がラテン語読みで記されている。 
 
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                  古地図の世界 : 南波松太郎氏収集-日本図・道中図・世界図 / 神戸市立博物館編集. -- 神戸市立博物館, 1983. 
                            資料ID:21849312 請求記号:290.38||Ko 配置場所:3階U3 
                   
                    坤輿万国全図 (こんよばんこくぜんず) 
                  
                    
                      
                         | 
                         イエズス会宣教師マテオ・リッチ(漢名・利瑪竇)は、中国でキリスト教の布教活動に携わり、1602年に北京でヨーロッパ製世界地図を基に、世界図「坤輿万国全図」を作成した。この世界図はすべて漢字で記され、また日本が中心に描かれていたことから、日本人にも理解しやすく、日本でも、それを手本にした世界図が数多く作成された。 
 
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                   | 
                  南蛮美術と洋風画 / 坂本満, 菅瀬正, 成瀬不二雄著. -- 改訂第3版. -- 小学館. -- (原色日本の美術 ; 第20巻). 
                            資料ID:30286191 請求記号:708||58||20 配置場所:3階M2 
                   
                    四都市図と世界地図屏風(部分) 
                  
                    
                      
                         | 
                        モチーフとなった原図は、江戸時代初期に輸入されたブラウ作の1609年改訂版(1606年制作)の大型世界地図である。来日した西洋人の指導のもと、日本人の絵師が描いたのだろう。 
                        原図に比べて、金泥で描かれた都市マークのうち、ローマががひときわ大きく描かれており、精度の高い日本図も書き加えられている。 
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             日本地図はいつごろから作り始められたのか明らかではありませんが、『日本書紀』巻二十五の大化二年(646)8月の詔に「宜しく国々の橿堺(さかい)を観て、或いは書(ふみ)にしるし、或いは図(かた)をかき」として、国単位の地誌と地図の提出を命じています。その後3回詔が出されましたが、すべて現存していません。 
             その後江戸時代初期までは、行基図と呼ばれる簡単な日本図が作られました。いずれも山城国を中心に国々が俵を連ねたように重なり合い、大部分は山城から五畿七道に向かって道線が記載されているのが特徴です。 
             桃山時代になり、一時的に日本の地理的視野も広がったがものの、江戸幕府の鎖国政策によって一気に閉ざされしまいました。しかし国内の交通が整備され、人や物の移動が頻繁になると、名所案内記や名所図会のほか、多数の地図が刊行され、地図の種類も、日本全図、地方図、都市図、道中図、海路図など、江戸時代は地図の多様化と量産の時代を迎えることとなったのです。 
              
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                  展示図書 
                   
                   
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                  正倉院展. -- 平成13年(第53回) -- 奈良国立博物館, 2002 
                            資料ID:21828201 請求記号:069.5||1||24-1 配置場所:3階R4 
                   
                    [越中国射水郡須加野地図天平宝宇3年<759年>]  
                  
                    
                      
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                        「東大寺越中国諸郡庄園惣券第一」に添えられていた地図のひとつ。東大寺はこのあたり(富山県高岡市旧守山・国吉地区)に庄園(荘園)を持ち開墾を進めていた。 
                        地図は上が東で、南北(左右)に灌漑用の溝があり、溝の脇に社もみえる。 
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                  拾芥抄 : 上中下 / [洞院公賢撰] ; 前田育徳会尊経閣文庫編. -- 八木書店, 1998.7. -- (尊経閣善本影印集成 ; 17). 
                            資料ID:30349803  請求記号:081.7||15||17  配置場所:3階R8 
                   
                    [大日本国図 天文17年<1548年>書写本]  
                  
                    
                      
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                        『拾芥抄』は1280年代にはすでに編纂されていた可能性が大きい。 
海岸線や国境が平滑な曲線で表され、山城を起点とする諸国への経路の記入があるのが特徴である。このような日本全図は「行基図」と総称される。 
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                   | 
                  書名 | 
                  改正 日本船路細見記  | 
                 
  
                  | 読み | 
                  かいせいにほんふなじさいけんき  | 
                 
  
                  | 請求記号 | 
                  【七-13】(2180112) | 
                 
  
                  | 形態 | 
                  刊横小  | 
                 
  
                  | 冊数 | 
                  一冊 | 
                 
  
                  | 行・丁 | 
                  106丁 | 
                 
  
                  | 書誌 | 
                  大坂 河内屋喜兵衛他  | 
                 
  
                  | 刊年 | 
                  嘉永四年 | 
                 
                
                  
                  
                    
                      
                         | 
                        江戸期の航路案内。航路や距離、港の説明のほか、道中記、潮流、風向、海難救助法など、さまざまな事柄が載っている。明治以降も再版が重ねられた。 
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            | 5.ヨーロッパ人が描いた日本地図
            
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                  | 展示資料 | 
                 
                
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                  西欧古版日本地図精選 = Early European maps of Japan ; セット, [本体], 解説. -- 雄松堂書店, 2001.
                   
                      資料ID:30467361  請求記号:290.38||A   配置場所:地図 
                   
                    [日本と蝦夷、および朝鮮国と周辺諸島の地図] ロバート・ダットリー作 イタリア 1647年 
                  
                    
                      
                         | 
                        英国人のダットリーはオルテリウス型をもとに、数多くの宣教師が出版した見聞録や、オランダ東インド会社によって製作された海図から得られて情報を加味して、これを発展させている。 
                        北部に「蝦夷」が本州の全長にわたって伸びている。 
                        四国はChecoocoo | 
                       
                    
                   
                   
                    [日本帝国] マテウス・ゾイダー作 ドイツ 1740年 
                  
                    
                      
                         | 
                        本図は1715年にアドリアン・レランドによってアムステルダムで出版された『日本王国図』を元にして作られている。レランドは日本の地図 石川流宣作『日本海山潮陸図』(元禄4年<1691年>)を入手し、西欧で最初の日本地図を作った。しかし忠実に模写したため、それまで南西から東北に伸びる姿で描かれていた正しい日本地形が失われ、当時の日本地図特有の横長の形になってしまった。 
                        日本人を描写した絵、葵の紋を持った人、有名大名の家紋が装飾のように描かれている。 | 
                       
                    
                   
                  
  
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                  | その他の参考図書 | 
                 
                
                   | 
                  地図の文化史 : 世界と日本 / 海野一隆著 ; : 新装版. -- 八坂書房, 2004.  
                  資料ID:30641792  請求記号:290.38||Un  配置場所:3階U3 
                   
                   | 
                 
                
                   | 
                  地図の歴史 / 織田武雄著. -- 講談社, 1973.  
                  資料ID:21516870  請求記号:290.38||50  配置場所:移動書架B12 
                   
                   | 
                 
                
                   | 
                  ちずのこしかた / うんのかずたか著. -- 小学館スクウェア, 2001.12. 
                  資料ID:30555914  請求記号:448.9||Un  配置場所:3階M12 
                   
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                  世界古地図 / チャールズ・ブリッカー著 ; 矢守一彦訳 ; 新装版. -- 講談社, 1985. 
                  資料ID:20996352  請求記号:290.38||42  配置場所:1階T1 
                   
                   | 
                 
                
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                  古地図への旅 / 矢守一彦著. -- 朝日新聞社, 1992. 
                  請求記号:291.018||2  資料ID:30156944  配置場所:3階U3 
                   
                   | 
                 
              
             
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